エンパワメント科学研究室と保育パワーアップ研究会と共同開発した、園児発達支援ツールです。長年の研究の結果得られた『科学的根拠』をもとに分析を行うことで一人ひとりの子どもの発達状況を把握し、より専門性の高い保育を行うことができます。視覚的に捉えやすいグラフで表示されるため、職員間・保護者で子どもの情報をわかりやすく共有することができます。
このシステムの最大の目的は、子どもが支援を必要としているかどうかを見極め、適切な支援を届けることです。「発達にかたよりがある」「遅れがある」というレッテルを貼るためではないことをご理解いただいた上でご活用ください。
状況の把握と支援に役立つ
5つの支援ツール
「発達評価ツール・社会的スキル尺度ツール・気になる子ども支援ツール・育児環境評価ツール・保育環境評価ツール」の5つの支援ツールがあります。一人ひとりの現在の発達状況や子どもを取り巻く環境を正しく把握することで、支援につながります。
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発達評価ツール
実際に日本の3万人以上の子どもの年齢別の発達を調べ、それに基づいてつくられた「発達のめやす」です。調査を行うことで、一人ひとりの得意な点、苦手な点を把握できるツールです。
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社会的スキル尺度ツール
対人技術発達チェックリストを用いることで、日本の標準的な子どもの発達と比較して、子どもの社会的発達状況を確認できるツールです。
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気になる子ども支援ツール
子どもの姿の全体的な理解と、気になる子どもが特に支援が必要かどうかを見極め、支援に役立てるためのツールです。
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育児環境評価ツール(保護者)
米国で開発され世界で100カ国以上で活用されている指標(育児環境評価HOME)に基づく「育児環境評価」の13項目に、新たに「育児意識」「子どもの適応」を追加し、6領域15項目としたものです。
保護者に記入してもらい、日頃の子どもの家庭環境の様子を把握するツールです。
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保育環境評価ツール
「子どもの最善の利益」を実現するために、子どもと保護者の多様な二一ズに応えるエキスを整理しています。
保育の質を向上させるための自己評価に有効なツールです。
データに基づいた根拠を使って、職員・保護者と協力しながら
園児を支援する計画が立てられる!
記録されたデータはグラフ化されたり、発達環境における気になるポイントが自動表示されるので、年齢に対する発達状況の比較やサポートを必要としている部分が視覚的に分かりやすくなります。
園児の発達状況を職員間で共有できるので、新人先生もベテラン先生も相談・意見交換がしやすくなります。
また、次の発達段階に向けた計画立てや見直しがしやすくなります。
発達状況はデリケートな内容。先生の主観的な意見ではなく、データに基づいた根拠をもとに保護者に説明できるので、保護者の共感・納得が得られやすくなります。

利用者の声
職員間でのケース会議で気になる子の情報共有を行っている。同じグラフを確認することにより、職員の経験値の差にかかわらず、目線を揃えることができました。アドバイスも的確にできるようになってきています。
専門職(保健士、言語聴覚士、医師、看護士等、養護教諭)とのケース会議に利用し、園での様子をわかりやすく伝えています。
口頭で、子どもの発達のゆっくりさを伝えてきましたがなかなか受け入れられない様子で、支援機関に通うのを渋っていた保護者がいました。HOPを活用して子どもの状況を把握することで、前向きに支援サービスを利用したり、子育てに積極的に関わるようになりました。
