こども園への移行で煩雑化する園業務。
保育料計算、出欠管理、保護者連絡にICTをフル活用

園名 学校法人大洲学園 大洲こども園
導入時期 2017年12月
ICT環境 PC6台、クラスに1台のiPad

Before 導入課題

  • 煩雑化する保育料・諸費用計算への対応
  • 共働き世帯の保護者対応と円滑のコミュニケーション
  • 園としての働き方改革の推進

After 導入効果

  • 保育料・諸費用計算、請求業務の効率化
  • 連絡・情報共有における保護者の利便性の向上
  • システムと人の目による安全対策の強化

導入の背景
こども園への移行に伴い
業務の見直しと保護者対応の強化が必要に

「パステルApps」を導入した2017年は、ちょうど幼稚園からこども園に移行するタイミングでした。それまで出欠状況は手書きで名簿に記入していて、保護者への連絡・コミュニケーションも電話や送迎時の会話、連絡ノートでのやりとりが中心でした。預かり時間も14時までと共通で、保育料もみなさん一律の金額を納めていただいていました。

しかし、こども園に移行することを考えたときに、これまで一律だった保育料や諸経費などが園児によって異なる。加えて、働く保護者さんも増え、連絡やコミュニケーションも配慮が必要になってくるのではないか?という懸念がありました。そういった煩雑化する業務、保護者とのコミュニケーションの面で少しでも助けになるようにと導入したのが保育ICTシステム「パステルApps」です。

活用している機能① 保育料計算機能、諸費用計算機能、預かり・延長保育機能
園児によって異なる保育料・諸費用
システムで請求までを一括管理

導入後すぐに活用したのは、保育料計算と諸費用計算、預かり・延長保育の機能です。保育料や諸費用、預かり保育料などの金額を合算して口座から引き落とすことができ、保護者もアプリ画面から明細を確認できます。以前は園に来て、紙で出していただいていた預かり保育の申し込みも、スマホからできるようになりました。

今では、用品販売も「パステルApps」で行っています。これまで行っていた注文用紙の作成や集金もなくなりました。預かり保育も用品注文も、保護者の方はスマホのアプリ画面から操作するのみなので、「楽になった」「時間や手間が減ってうれしい」という声をいただいています。

バス代や給食費など園児ごとに異なる諸費用を一括管理(画面はイメージです)

課題だった保育料・諸費用計算をシステム化した後は、「パステルApps」の他の機能へと運用を徐々に広げていきました。なかでも、副園長や学年主任の先生たちが効果を実感しているのが、標準機能として実装されているメール配信機能と出欠管理機能です。

活用している機能② メール配信機能
紙での配布からメールでのおしらせ配信に
急ぎの連絡も時間を選ばずに配信できる

まず、メール配信機能を活用することで、園だよりやクラスだより、給食だよりなどのおしらせは、紙での配布からメールでの配信に変わりました。

「パステルApps」は、システム内の名簿をもとにクラスやグループごと、個別での配信ができ、文書も添付できます。以前はおしらせを配布するとなったら、印刷し、渡しそびれることのないように園児の名前の判を押し、手渡しして…と、おしらせを配るだけでも結構な労力がかかっていたんです。送信履歴や開封状況をシステムで確認できるので、先生たちからは「いつ、誰が、誰に渡したか」「誰をフォローする必要があるか」を把握しやすいという声もあります。

他にも、急ぎの連絡などに活用している先生からは、「今までは送迎のタイミングを逃してしまうとなかなか保護者の方への連絡手段がなかった。いつの時間帯でも連絡できるのは安心感がある」という声があがっています。先生たちの業務負担や心的な負担が軽減されているなと感じますね。

子どもたちが降園後、職員室で事務仕事をする先生たち

活用している機能③ 出欠機能
子どもたちの安全、保護者の安心のために
システムと人の目で確認する体制づくり

「パステルApps」を導入した当初は、煩雑になる保育料や諸費用の計算を円滑に行うことが主な目的だったので、出欠機能を活用し始めたのは導入から5年経った頃でした。

大きなきっかけとなったのは、2022年に牧之原市の園でバスに園児が取り残され亡くなった事故です。そのときもずっと「出欠はどうだったのか?」ということがニュースなどで焦点になっていました。それまで私たちは、電話で受け付けた欠席連絡を名簿に手書きで反映し、クラス担任が目視で確認していたのですが、この悲痛な事故を受けて、私たちもこれまでのやり方を見直そうと、「パステルApps」の出欠機能を使っていくことにしました。

システムを使うことで、保護者はスマホから欠席や遅刻・早退などの連絡ができるようになり、先生たちはクラスに1台あるiPadで出欠状況を確認できるようになりました。目視でのチェックも変わらず続けていて、パステルAppsの画面の出席人数と合っているかをダブルチェックしていますね。利便性の向上にもつながっていますけど、どちらかというと子どもたちの安全を守るために導入した機能です。クラス担任や事務担当の先生たちも、すぐに共有・確認できることや、記録が残ることが安心感につながっているようです。

出席日数もパステルAppsで自動集計され、指導要録にも反映される

パステルAppsの魅力
導入後の丁寧なサポート
ICT化の推進とすぐにつながる安心感

「パステルApps」を知ったのは、「近隣の園さんもパステルAppsを使っている」という情報を聞いたことがきっかけです。提供している会社が同じ静岡県で、すぐ近くの焼津市にあるということで親近感もありました。その頃はまだ、「ICT化を進めたいけど、どういうことができるんだろう?」とイメージが漠然としていたんですが、担当の方が何度も園に足を運んでくれて、段々とできることのイメージが湧いてきて、それで契約しました。

導入してからも、そのときに感じた「便利になりそう」というイメージが実感として感じられるようになりましたし、「直観的にわかるような画面で操作がしやすい」という話は日頃、「パステルApps」を使う事務の先生からも聞いています。

あとはやはり、サポートセンターの存在が大きいです。わからないところを電話で聞くととても丁寧に教えてくれるので、すぐに解決します。導入時も、新たに機能を使いはじめる時も、スムーズですし安心感があります。どんどん遠慮なく聞いていますね。とても進めやすいです。

園業務のICT化で大切にしたいこと
「本当によいもの」にするために
できること・ありたい姿を描いて共有する

「ICTでどのようなことができるようになるのか」をイメージして、それを先生たちに示していくことが大切だと思いました。例えば、園長が「よい!」と言っていても、関わる先生たち本人が「よい」と感じなければ、本当によいものにはなりません。

これまで、保育料計算・諸費用計算や用品注文、メール配信、出欠管理など、園のさまざまな業務を「パステルApps」で行うようになりました。先生たちも、いろいろな業務が並行して動いているなかで、業務の記録や子どもたちに関わる情報が一か所にまとまっている状態をつくれることのよさを実感してくれています。

年に2回実施している園評価も、「パステルApps」のアンケート機能で実施する方向に変えました。回答結果も自動で集計されますし、Excelで出力することで報告資料にまとめる際も本当に楽になりました。園評価は、私たちにとって非常に重要な視点です。集計や資料の作成の負担が減ったことで、本当に見たいところに目を向けられる。本来のICTのよさはそういうところにあるのだと思います。

初めてのシステム導入も試行錯誤で進めていく大洲こども園の先生たち

学校法人大洲学園大洲こども園
静岡県藤枝市にある幼保連携型認定こども園。教育目標は、「明るく楽しく元気よく」。園に通う181名の子どもたち一人ひとりと向き合い、子どもたちが喜びいっぱいで笑顔で帰っていくような環境づくりを大切にしている。